きのう何食べた?7巻、大奥。2012年12月は「しのぶ」祭り/今月買う漫画とか
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/03
- メディア: コミック
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「きのう何食べた?」の7巻は、うどん食べながら読んでたんだけど、途中胸に詰まるシーンがあって、うどんが鼻から出そうになった。
マイノリティであるケンジが、そうでない者にとってはあまりにも普通のこと
ー恋人の親に紹介される、だとか一緒にカフェに行く、だとかそういうことー
に、泣くほど喜ぶ、と言うことがあまりにも切実で、苦しくて、泣けた。
同シーン。寄り添うゲイ二人に「気持ち悪い」と野次が飛ぶ。胸が詰まったのは、その野次とは全く関係なくて、むしろ「マイノリティであるということ」はそこまでのエピソードで充分すぎるほど説明できているのだし、ちょっと「盛りすぎ」なんじゃないかな、と読んだときは思ったのだけど、一晩考えてみたら、あれが、ああいう野次を入れることが、青年誌でゲイを描く、ということのバランスなのかもしれないな、と思った。
そんなわけで、12月のマンガ・本の購入事情。
大奥は既に買ったんだけど、12月は気になるマンガ、好きなマンガが次々と発売されて嬉しい悲鳴。
■12/8
リバーサイド・ネイキッドブレッド 有間しのぶ
- 作者: 有間しのぶ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: コミック
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連載中から気になっていたので購入予定。有間しのぶは、まとめて読むのが初めてなので楽しみ。
■12/10
いいなりゴハン 1 (ヤングジャンプコミックス) 森繁拓真
IPPO 1 えすとえむ
町でうわさの天狗の子 10 岩本ナオ
■12/13
ちはやふる(19) 末次由紀
一緒に遭難したいひと 4 西村しのぶ
しのぶ祭りの、一端を担う、念願の一緒に遭難したい人最新刊。
■12/14
3月のライオン 8 羽海野チカ
前巻、むちゃくちゃ泣けましたよね……。いや、他の人は知らないですけど、私は泣けたんですよね。子供の抱える問題に、大人が、なんとか対処しようとするのが、どんなに辛く哀しい事があっても、大人が出来る事で、現実的に道を広げてあげようとするのが、羽海野作品のすばらしいところであり、希望でもあります。
アノネ、(上) 今日マチ子
今日マチ子が、わりと社会的・歴史的問題に取り組んでいるのが、結構好きなんですよね。cocoonも良かったし。残酷で苦しいんだけど眼をそらさせない感じ。
- 作者: 今日マチ子
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2010/08/05
- メディア: コミック
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■12/21
げんしけん 二代目の四(13) 木尾士目 目
リーチマン(2) 米田達郎
■12/24
大東京トイボックス (9) うめ
今年のマンガ大賞、2位は本当に嬉しくて、だってすごく丁寧で勢いのある物語ですから、夢中になって読んでいます。
あらすじみて、気になって、twitterで「買ってみようかな」と呟いたら、うめさんご本人から、返信があったんですよね。で、買ってみたんですけど。本当にあたりでした。
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購入予定のマンガとはちょっと違うのですが、先日、ずっと欲しいと思っていた「マンガファッション(竹村真奈)」を購入しました。
- 作者: 竹村真奈
- 出版社/メーカー: パイインターナショナル
- 発売日: 2012/01/23
- メディア: 単行本
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少女マンガの「ファッション」にスポットを当てた本なのですが、ほぼマンガ家さんのインタビューで構成されており、その人選が私にはドンピシャで。一条ゆかりをはじめとして、羽海野チカ、西村しのぶ、いくえみ綾、安野モヨコ、水城せとな、陸奥A子、と微妙にファッションのカテゴリーをずらしながら、キャラクターメイキングの話を聞いてみたい人、が並んでおり、大変興味深かったです。
特に好きなのは、羽海野チカさんのインタビュー。男の子の魅力のくだり。
「男の子の魅力は『持っている力を全力で出そうとしているか』だと私は思うんです。それが『ライオン』のファッションにおけるテーマでもあります。だから、島田さんみたいにガリガリで頭が薄くても、たぶん一番人気があるし。二階堂くんも病気で太めさんですけど、彼の悪口を見た事ないです」
ーーまんがファッションより引用
そーだったそーだった。羽海野さんが描く、島田さんも二階堂くんも一般的には「格好悪い」容姿なんだった。
とにかく二人がチャーミングなもんで忘れていたよ。
いやいや、そうはいってもかわいい絵だよ、かっこ良く見せてるよ、と一瞬思うけど、いやいやいやいや。
羽海野チカさんが、本気で「かっこいい見た目を描こう」と考えて書いたら、その方向にもっとかっこいい絵が出てくるんじゃないですかね。島田さんは、くたびれた、哀愁漂う、もっとしゅっとしても良かっただろうし、二階堂君だって、太らせなくてもいいんじゃないですか?
でも、島田さんは薄毛で三白眼気味で、いつも目元に縦線が入ってて、二階堂君のスーツはぱつぱつで指は芋虫みたいで、でもどうしよう。むちゃくちゃかっこ良く見えてる。伝わってる。
容姿を越えた格好良さ、というものを、羽海野チカはマンガと言う手法で伝えようとしていて、そしてそれが伝わってるから、彼らは人気があるってことですよね。どうしよう。伝わる、ということのすばらしさに、泣けてきます。
他にも、描くのに苦労したという桐山君のダッフルが商品化されて、装苑で特集組まれてる、と言う状況も感慨深い。
そもそも、「3月のライオン」に関して、羽海野チカはとにかく「おしゃれにみえないこと」「ファッショナブルに見えない事にこだわった」と言うようなことを言っていて、その理由はぜひ本文を読んでいただきたいのですが、そうやって「見た目のおしゃれじゃなくて、人としての格好良さを紙に描こう」とやってみたら、それがちゃんと伝わった、ってやっぱり凄いよ。
絵で、ちゃんとそのかっこよさが伝わってて、リアルクローズとして機能する説得力があるっていうのが。いや、羽海野チカの絵が上手いのはみんな知ってることだけど!
マンガ好きさんには、ぜひお勧めしたい一冊です。